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Orient Star(オリエントスター)
M34 F8 スケルトン ハンドワインディング
ブランド誕生75周年を顕彰する
スケルトンモデルの深淵な表現
それもそのはず、ブランド名に込めたのは「“輝ける星”と呼ばれる機械式時計を製作する」という思い。この情熱は時計づくりに対する基本姿勢として今もなお貫かれ、しかも2023年には「Mコレクションズ」を立ち上げるなど、ブランドの価値を高める取り組みも実施。こうして、オリエントスターは2026年にデビュー75周年の節目を迎え、2月にはこれを記念するタイムピースをリリース、3月に発売開始となる。
そのひとつが「M34 F8 スケルトン ハンドワインディング」の75周年記念モデルだ。ベースとなったのは2022年に発売された同名のレギュラーモデル(発売当時は「コンテンポラリー スケルトン」)で、このモデルではオリエントスターの象徴でもあるスケルトンデザインに加え、フランスの天文学者シャルル・メシエによる星雲、星団、銀河のカタログをヒントにしたMコレクションズのコンセプトも取り入れ、先鋭的なイメージに仕上げている。
そして最新作では、記念モデルにふさわしいデザインエレメントを追加。中でも象徴的なのが、搭載された手巻きムーブメントF8B65の地板やブリッジに見られるメテオライト(隕石)調の仕上げだ。ムーブメントの表裏には、最新のレーザー加工技術を駆使して、メテオライトの結晶構造を表現。独特の幾何学的パターンがスケルトンデザインにさらなる存在感を与え、レギュラーモデル以上にモダンな雰囲気が感じ取れるようになっている。

Cal.F8B65の表裏には、メテオライトの結晶構造をリアルに表現。これは、1000兆分の1秒という極めて短いパルスを照射して微細な加工を行う、フェムト秒レーザーを駆使することで実現した。
もちろんモデル名が示す通り、M34コレクション共通のコンセプトは踏襲。そもそも同コレクションは、“M34”のメシエカタログナンバーに着想を得たコレクションで、ペルセウス座にある散開星団をモチーフとした、先鋭的で精悍なデザインを特徴とする。それはシャープで力強いフォルムのラグや12時位置のローマンインデックス、天面と斜面で磨き分けされた時分針に表れているのだが、こうしたエレメントは本作でも随所に確認できる
時分針は天面にヘアライン、斜面はポリッシュで仕上げ、M34コレクションのモチーフとなった英雄ペルセウスのような、シャープで力強いイメージを与えている。また、インデックスを支える円周形状の文字盤は、黒シボ塗装によってブラックとグレーのグラデーションに彩色され、モノクロームの配色にニュアンスを添えるデザインワークも見事だ。


搭載されているのは、ブリッジにメテオライト調の仕上げが加えられた特別仕様の手巻きムーブメントCal.F8B65。ベースとなったCal.F8B61と同様、MEMS加工によって製作されたシリコン製のガンギ車も備わり、スモールセコンドの奥に鮮やかなブルーのガンギ車が顔を覗かせる。
スケルトンデザインを採用しながらも、インデックスと時分針をしっかりと立たせたことにより、視認性を高めている。
75th ANNIVERSARY」の文字とシリアルナンバーが刻まれたケースバック。サファイアクリスタルを通して、ムーブメントに施された、ユニークなメテオライト調のパターンも眺められる。
オリエントスター
M34 F8 スケルトン ハンドワインディング
ケース径:39.0mm
ケース厚:10.8mm
ケース素材:ステンレススティール(SUS316L)
ブレスレット:ステンレススティール(SUS316L)、交換用コードバンストラップ付属
防水性:5気圧
ムーブメント:手巻き、Cal.F8B65、パワーリザーブ70時間以上
仕様:時・分・秒表示、パワーリザーブ表示、シースルーバック
限定:430本(国内300本)
価格:412,500円(税込)
取材・文:竹石 祐三 / Report & Text:Yuzo Takeishi
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto